犬と猫の眼の病気(外傷性角膜炎)
今回は日常の診療で来院頻度の高い外傷性角膜炎についてお話します。これは病気というよりはケガに近い状態ですが。シーズーやパグなどの短頭種の犬は、どちらかというと少し眼が出ています。鼻が短くて眼が出ているため、散歩中に草むらに入って臭いを嗅ぐときに草や木の枝が眼に当たってしまったりすることがあります。すると眼の表面の角膜に傷がついてしまいます。またそれ以外の犬種でも、たとえばアレルギーで目がとてもかゆくなったりすると、顔をどこかにこすりつけたり、前足で目をかいたりします。その時に目の表面をこすることで角膜に傷がはいります。またシャンプーの後に飼い主さんがワンちゃんの顔をタオルでふく時に、目をこすってしまうようなことも原因になることがあろます。また逆まつげが原因のこともあります。ネコちゃんでも、じゃれて遊んでいる時に眼に傷がはいってしまうことがあります。
角膜に傷がはいるととても痛いので、目がショボショボになって、普通にパッチリと目を開けることができなくなります。また炎症によって結膜が赤くなったり、涙の量が増えたり、目やにが出たりします。急に目をショボショボするようになったら、早めにご来院下さい。角膜を染色する簡単な検査で、傷の程度を調べることができます。早い段階で点眼薬の治療を開始すると、数日の経過でよくなることが多いです。
猫のいくらちゃんは兄弟猫とじゃれていて目に傷が入ってしまいました。右眼が痛くてショボショボになっています。
病院犬のタロウも右眼に傷が入ってショボショボになっています。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、タロウの角膜の中心部に白くなっている所があるのが傷です。