犬は暑いんです
犬は1年に3日寒いだけ 猫は1年に3日暑いだけ。こんな言葉をご存知の方は少ないと思います。これは犬は寒さに強く、猫は暑さに強いということですが、逆を言うと犬は暑さに弱く、猫は寒さに弱いとも言えます。実は犬はかなり暑さに弱い動物です。犬と人間の大きな違いは、人間は暑いと汗をかきますが、犬は汗をかきません。体表にほとんど汗腺がないので、汗がかけないのです。暑い所に長時間居ると体温が上昇し、人間のように効率よく体温を下げることができません。冷たい所に身体を引っ付けるなどして暑さをしのがなければなりません。
5月の半ばを過ぎると、室内で飼われているワンちゃんの居場所や寝る場所が、冬場とは変わってくるはずです。冬はホットカーペットやストーブの前で寝ていたワンちゃんが、玄関口や洗面所など冷たい場所へ行って寝るようになります。暑さをしのいでいるのです。6月の半ばを過ぎると、急に真夏のように暑い日があったり、梅雨の季節になると湿度が急に高くなったり、人間でもしんどい季節ですね。実は犬はもっとしんどいんです。
ワンちゃんが体調を崩して来院するのは6月が一番多いように思われます。朝ごはんを食べなくなったり、はっきりした原因がないのに下痢や嘔吐の症状を示したり。6月の暑さは実はワンちゃんの身体にはかなりストレスになっているのです。クーラーをつけるとワンちゃんが風邪をひくのでは?と思われる方があると思いますが、そんなことはありません。できるだけ涼しい環境を作ってあげてください。