病院犬タロウの日常
タロウは16歳のオスのミニチュア・ダッスフントです。3年前から当院で生活しています。
タロウには仔犬の時から大事に飼ってくれている飼い主さんがいました。そしてタロウは当院と長いお付き合いの患者さんでした。ところが一人暮らしのタロウの飼い主さんが突然亡くなってしまいました。3年前のことです。タロウを引き取ってくださる親戚の方もなく、タロウは突然天涯孤独の身になってしまいました。高齢であるため里親探しもあまり希望が持てません。タロウの飼い主さんは生前時々入院されることがあり、その時にはタロウを病院でお預かりしていたので、タロウは病院にとても慣れていました。こうなったらもう私が引き取らないといけないなあと思い、病院で飼うことになりました。
タロウはホームシックになることもなく、ご機嫌で病院で生活しています。
タロウはとても人なつっこくおとなしいので、病院の診察中に飼い主さんに目薬の点眼の仕方を説明したり、薬の飲ませ方の説明をする時のモデル犬になってくれています。先日は私が勉強のために参加したエコーの講習会に、タロウもモデル犬として参加しました。
私は時々エコーの講習会に参加するのですが、講習会にはおとなしくエコー検査をさせてくれるモデル犬が必要です。参加される先生方の何人かがモデル犬を連れてこられるのですが、そんなにおとなしいワンちゃんがどこにでもいるわけではありません。私が自宅で飼っている犬も猫も試してみましたが全くダメで、とてもモデル動物にはなれません。ところがどうでしょう 不自然な姿勢でじっとしていないといけない心臓エコー検査でも、タロウはお利口にじっとしていてくれるのです。これなら大丈夫と思い、初めてモデル犬として参加したのです。知らない人に触られてもとてもフレンドリーで、立派にお仕事(?)を終えました。ちょっと世の中のお役に立てたと思ったのか、得意げな顔で帰ってきたタロウでした。
後期高齢犬のタロウですが、まだまだがんばります。