子猫が減った?
私が動物病院を開業したのはもう25年前ですが、その頃はよく近所の子供さんが ”先生、子猫が捨ててあったー”と言って、ダンボール箱に入った子猫を連れてきたものでした。最近はそういうことが随分と少なくなりました。子供さんが減ったのもあるんでしょうが、公園に捨てられる子猫が少なくなったのでしょう。都会では昔と比べると飼い猫を外に出される飼い主さんが随分と減りました。そのため猫が家でお産をするということがかなり減ったと思います。それともう一つは、地域ネコの避妊・去勢手術を行うという活動が広まったことが原因と思われます。昔のように外ネコがどんどん子猫を産み続けるということが、かなり減ってきているんだと思います。以前は”子猫の里親募集”というはり紙をよく病院に貼っていたものです。たいていはすぐにもらってくださる方が見つかり、子猫たちはもらわれていきました。最近では、子猫が欲しいという方がいても、なかなか子猫が居ないという状態です。時代の変化を感じます。
またもうひとつ最近よく耳にするのが、保護犬、保護ネコという言葉です。いろいろな事情で飼えなくなったワンちゃんやネコちゃんを保護して、次の飼い主さんを見つけるという活動をされている団体が増えました。そういう所から、仔猫や仔犬でなく、大人になったワンちゃんやネコちゃんを譲り受けて飼われる方がとても多くなったように思います。インターネットの普及によって、多くの方が多くの情報を得ることができるようになったため、以前だと行き場のなかった動物たちが、新しい飼い主さんと巡り合えるチャンスがたくさんになって、素晴らしいことだと思います。これも時代の変化ですね。