猫の心筋症の症状|神戸市東灘区の摂津本山駅付近の動物病院なら、去勢・避妊手術、混合ワクチン、狂犬病のサポートをする『おおじ動物病院』

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猫の心筋症の症状

猫の心筋症はどんな症状があるのでしょう?実は心筋症があっても、何の症状もなく生活しているネコちゃんがかなりいると言われています。症状がなければ病気とは言えないのかもしれませんが、とにかく猫という生き物は、心臓病に限らず腎臓病や肝臓病など他の疾患でも、かなり重篤な状態にならないと飼い主さんでも気づかないことがよくあります。とてもポーカーフェイスな生き物だと私は思っています。

飼い主さんが気づかれる心筋症の症状としては、走り回ったあとに開口呼吸をするとか、他のネコに比べると呼吸が速いとか、あまり動きたがらないとか、失神してしまうことがあるとかです。もちろん何の症状もない子もいます。

ただ何かのきっかけで突然重篤な心不全状態になることが心筋症ではよくあります。呼吸が速くなり、息が苦しい状態です。胸水がたまったり、肺に水がたまる肺水腫という状態になるからです。こうなるとすぐに治療しないと死んでしまうことになります。こんな状態になって初めて心筋症があったんだなあとわかる場合がとても多いです。

また心筋症が原因で心臓内に血栓ができてしまい、その血栓が太い血管につまってしまうことによって、後ろ足にひどい麻痺がでてしまうこともあります。まさか心臓が原因で?と思われるかもしれませんが、心筋症ではよくある症状なのです。これは命にかかわる状態で、残念ながら治療をしても助けてあげられない場合もあります。

またネコちゃんの突然死も時々ありますが、心筋症が原因の上位をしめます。

こんなすこし厄介な猫の心筋症ですが、早期診断はできないのかなあと思われる方もあると思います。

そこで心臓病の検査について少しご紹介します。心臓病を診断する際に病院で行う検査はいろいろあります。聴診、レントゲン検査、心電図、血液検査(特に心臓のバイオマーカー測定)、血圧測定、心エコー検査などです。どれかひとつの検査だけで心臓病を診断することはできないので、いくつかの検査を組み合わす必要があるのですが、心筋症の診断で一番重要な検査は心エコー検査です。心臓自体の形状や血液の流れなどをエコーの画面で確認しなければ確定診断できません。

 

 

ところが心臓のエコー検査は他の検査に比べると少しハードルが高い検査になります。動物にとってはありがたくない姿勢でじっとしていてもらわないといけないからです。ワンちゃんにくらべるとネコちゃんにとっては受け入れてもらえないことがよくあるのが現状です。当院でも比較的おとなしいネコちゃんは飼い主さんに協力していただいて、ごきげんをとりながらなるべく短時間で検査を終わらせるように頑張っています。

心筋症は心臓の筋肉の病気なので、残念ながら薬や手術で治してしまうことはできません。でも内服薬で心臓の働きを助けてあげることや血栓を予防することはできます。

早期診断するためには、明らかな症状がなくても、健康診断などで心臓に関連した検査をしてみることが必要かと思います。少しでも心筋症に不安を感じておられる方はお気軽にご相談ください。ネコちゃんの状態に合わせて無理のない範囲で検査をさせていただきます。

写真のネコちゃんは当院の患者さんのなみちゃんです。超おりこうで、じっとして検査をさせてくれます。

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